100年時代のWonderful LIFE.

「人生100年時代を心ゆくまで謳歌したい」そのような想いを持った20代の記録です。ブログを通じてさまざまな方と繋がりたいです。よろしくお願いします。

遅刻をしてきた中学生にどう指導するか。

 

中学校教員として、日頃から中学生と関わっています。

中学生は発達段階的に、「自分のことは自分で決めたい」「人から指図されたくない」

と思う傾向にあります。

 

このような中学生の実態を踏まえて、遅刻してきた中学生をどう指導するのか、興味深い指導事例があったため紹介したいと思います。

 

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大抵の場合、遅刻があった場合には、「遅刻するのはだらしない!」「時間を守れないと社会で通用しないぞ!」などと指導するケースが多いと思います。

 

ある中学校の先生は、「なぜ君は遅刻するのだと思う?」と生徒に問い、たっぷりと時間をとった後、「君が人間だからだよ」と第一声を発しました。

遅刻してきた生徒は、この教師の言葉に良い意味で驚きます。

教師は続けます。

「人間以外の動物は、ムチで身体を打ったり、いわゆる調教を通して行動をコントロールすることができる。一方、人間は他から命令されても自分のことは意思を持って自分で決断したい生き物である。

君が遅刻したのは、君自身が「遅刻する」という決断をしたからだよ。それは君が誰の指図も受けずに自分の意思に従って主体的に決断したからこその結果だよ。

幼児の頃は、親や先生に世話をたくさん焼いてもらい、行動を決めてもらうことが多いよね。

なぜなら、幼児は自分で決められないから。

だけど君は中学生になって、自分のことは自分で決めたいという主体性が向上している。だからこそ、先生が遅刻するなと言っても、遅刻するという決断をしたわけだよね。」

 

「その決断自体は尊重するよ。ただ、遅刻をすることで君が不利益を被ってしまうかもしれないね。勉強についていけなくなったりね。君は、遅刻をするという決断を自分でできたのだから、遅刻しないという決断もできるはず。その決断を今度はしてみるといいんじゃないかな。

 

このような指導を行った結果、徐々に生徒の遅刻が減少したとのことです。

 

中学生という発達段階に則した指導として、非常に学びになりました。

まずは、生徒の意思や行動を受け止める。その上で、行為の価値を丁寧に説明していくことが大切だと感じました。